Column

2025.12.11

薩摩川内市で見た「人と空間の循環」が生む地域の未来

薩摩川内市で見た「人と空間の循環」が生む地域の未来

私たちグリーナーは、環境負荷の低減を目指し、サーキュラーエコノミーの実現に取り組んでいます。その視察のため訪れた鹿児島県薩摩川内市で、私たちは資源の再利用に留まらない、より深く、温かい二つの「循環」に出会いました。それは、「人の循環」「空間の循環」です。

1.🤝 能力を活かし、食を繋ぐ — ちょこっとカフェが実践する「人の循環」

まず私たちが感銘を受けたのは、訪問した「情熱屋 ちょこっとカフェ」(合同会社情熱家さん)の取り組みです。このカフェは、障がいを持つ方々の就労を支援する就労継続支援B型事業所として運営されています。

カフェの根底にあるのは、「一人ひとりの強みをちょこっとずつ出し合い、協力して大きな仕事をする」という哲学です。

  • 役割の循環: 障がいや個性を持つ一人ひとりが、得意な分野(調理、接客、農作業)で能力を発揮し、お互いを補い合います。この役割分担こそが、誰一人として「無駄」を出さず、能力を最大限に活かす「人の循環」の理想形です。
  • 食の循環: カフェのスタッフは、地域内の休耕地を利用して農作業にも従事し、自ら育てた新鮮な野菜をカフェのランチとして提供します。これにより、「食の循環」と「人の循環(福祉)」が一つに結びつき、多様な人々が地域に貢献できる、持続的な仕組みが生まれていました。

私たちグリーナーは、このカフェから、サーキュラーエコノミーの実現には、資源だけでなく、人を活かすことが不可欠であるという、大切な教訓を得ることができました。

  • 日替わりランチをいただきました!なんとこのボリュームで700円‼そして 農地でとれた新鮮なお野菜と朝引きのチキン南蛮はとっても美味しくいただきました。

2.🏫 未来をつくる「空間の再利用」 — 廃校リノベーションの力

そして、薩摩川内市で見つけた二つ目の循環が、廃校となった建物の再利用です。

地域から子供たちが巣立ち役目を終えた中学校は、解体されることなく、宿泊施設やオフィスなどに生まれ変わっていました。これは、地域にとって思い出深い公共資産を、「高江未来学校」として再び人が集まる拠点へと再生させる、見事な「空間の循環」です。

  • リユースの価値: 建物の解体や新築に伴う多大なエネルギー消費やコストを抑えつつ、かつての学び舎に新しい目的(宿泊、雇用、スポーツ振興など)を与えています。
  • 地域活性化: 廃校という地域内の「未利用資産」を活かすことで、新たな雇用が生まれ、交流人口が増加し、地域経済に活力がもたらされます。

私たちはこの取り組みに、サーキュラーエコノミーにおける「リユース」の究極的な形を見ました。一度役目を終えたものに新しい目的を与え、地域経済と社会を活性化させるこの姿勢は、非常に示唆に富んでいます。

3.🌱 すべてを活かす「新しい循環」へ

薩摩川内市での学びは、サーキュラーエコノミーが「資源」だけでなく、「人」、そして「空間」という、地域にあるあらゆる未利用資産を「無駄にしない」という理念の上に成り立っていることを考えるきっかけとなりました。

私たちグリーナーは、この三つの循環の視点を、北九州での事業展開に持ち帰ります。

資源を活かすだけでなく、地域や多様な人々の能力、そして使われなくなった空間までを価値に変える「新しい循環」の創造に、より一層邁進してまいります。

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